防火対象物点検報告や防災管理点検報告は、火災や震災時のリスクを最小限に抑え、人命や財産を守るために重要な制度です。しかし、点検の必要性に気づかないまま放置してしまったり、手順がわからず対応が遅れてしまったりするケースが後を絶ちません。この記事では、点検が必要な理由や放置した際のリスクや具体的な対策について解説します。事業所や施設の安全を守るために、ぜひ参考にしてください。
目次
建物の安全を守るために確実な対策が必要な制度
防火対象物点検報告や防災管理点検報告は、事業所の安全を守るために重要な役割を果たします。しかし、点検の必要性が分からず放置してしまったり、点検の手順に悩んでしまったりするケースは少なくありません。
例えば、点検の期日が近いのに何をどう進めればよいのかわからないという状況に陥ることがあります。担当者が退職してしまい、これまでどの業者に依頼していたのかが不明で、手がかりが見つからないという事態も起こりがちです。また点検が必要なことを知らず、突然消防署から指摘を受けて慌てるケースもあります。建物のどの部分が点検対象なのかが不明で、どこから手をつけるべきか戸惑ってしまう方も多いでしょう。
こうした問題が発生する背景には、制度や法令の複雑さが関係しています。特に消防法はたびたび改正されるため、以前は点検の必要がなかった事が突然対象となることがあります。さらに点検に関する情報が担当者にしっかりと引き継がれていない場合、トラブルが生じやすくなります。こうした状況を防ぐためにも、早めの対応が重要となります。
防火対象物点検報告・防災管理点検報告とは
防火対象物点検報告とは、一定の規模や用途を持つ建物が消防法に基づいて行う点検のことで、具体的には火災時に多くの人が避難しなければならない建物や、火災リスクの高い建物が対象となります。点検の内容には、防火管理計画の運用状況や非常口や避難経路、収容人員、防災訓練実施の確認などが含まれます。
一方、防災管理点検報告は、防災管理者が選任されている建物に対し、防災対策が適切に整備されているかを確認するものです。これには家具などの転倒防止措置や防災組織の体制確認が含まれます。どちらも震災などの緊急事態に備えて非常に重要な点検となっています。
放っておくと大きなリスクが発生することも
防火対象物点検や防災管理点検を放置してしまうと、どのようなリスクがあるのでしょうか。
まず、消防署の立ち入り検査で未点検が発覚した場合、指導や是正命令が出される可能性があります。指導に従わなかった場合は、罰則が科せられることもあるため、軽視できません。さらに、火災が発生した際には、点検未実施が原因で被害が拡大したと判断され、損害賠償の責任を問われることもあります。
また、ビルやテナントのテナント契約において、消防設備の不備が原因で契約更新が見送られるケースもあります。安全対策が不十分な建物としてのイメージが定着してしまえば、入居者が離れてしまうリスクも否定できません。こうした事態を避けるためにも、早めの対応が求められます。
日頃の対策と専門業者選定でより安全に
では、具体的にどのような対策を講じればよいのでしょうか。まず最初に行うべきは「現状把握」です。自社の建物が防火対象物点検や防災管理点検の対象に該当するか確認しましょう。所轄の消防署に確認すれば簡単にわかります。
また事業所内で防災意識を高める取り組みも重要です。防災訓練の実施や、従業員に対する防火知識の教育を通じて、火災発生時に冷静に対応できる環境を整えることが求められます。防災対策は、単に法律に従うだけではなく、事業を継続するための大切な備えとして考えましょう。
日常的な設備点検の意識も欠かせません。点検報告が義務付けられていない小規模施設であっても、火災時の被害を最小限に抑えるために定期的な確認は不可欠です。特に消火器や非常口の確認、避難誘導灯の点灯チェックなどは、日頃から習慣化するのが理想です。
点検を行う際には、チェックシートを活用するのも効果的です。設備の設置状況や機能の確認事項をリスト化し、ひとつひとつ確認しながら進めることで、漏れのない点検が可能になります。特に複数の施設を管理している場合は、チェックシートによる管理が効率的です。加えて、設備の不備を発見した際は、すぐに修繕の手配、実施も忘れないようにしましょう。
日常的な対策は行いつつ、もっとも効果的で安心できる対策は、信頼できる業者に依頼することです。過去に実績のある業者が不明な場合は、消防署に相談すれば地域の信頼できる業者を紹介してもらえることがあります。消防設備点検のプロに任せることで、点検の不備や期限漏れなどのリスクを回避することができ、建物運営を安心して継続することができます。
プロによる早めの対応・対策が重要

防火対象物点検報告や防災管理点検報告は、「いつかやろう」と後回しにしていると、思わぬトラブルに発展するリスクがあります。事業所の安全と法的リスクの回避のためにも、早めに現状を把握し、信頼できる業者と連携して点検を行いましょう。
特に、点検は専門的な知識や経験が求められるため、信頼できる業者に任せることがもっとも重要です。実績が豊富で確かな知識を持つ業者に依頼することで、漏れのない確実な点検が行えます。
点検は単なる義務ではなく、万が一の際に人命や財産を守る重要なプロセスです。早めの対応が、安心して事業を営むための大切なステップとなるのです。
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東京都小平市の多摩電設工業株式会社ではオフィスビル、集合住宅、店舗・商業施設から倉庫まで、累積取り扱い物件は2010年以降で約1600件。消防点検・設備のお困り毎ごとはおまかせください。地元に密着で丁寧・スピーディー・信頼を心がけています。
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